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脱走癖の克服・4

“いいです・○カード”と“いけません・×カード”の積み重ねを続けて、行けない日もあるが、行ける日もあるという見通しを持たせるという作戦も、一度は上手く行ったように見えたが、またつまずきにぶつかった・・・

はじめは、自転車で近所を一周するだけだったのが、だんだん途中からまた別のお家に寄り道するようになった。とってもおとなしくてお利口な犬がいて、たくさん遊ばせてもらった!そらパパさんのブログの『アニマルセラピー』によると、動物との触れ合いは、ヒトと遊ぶよりも単純で、モノで遊ぶよりも複雑なので、自閉症児にとってはものすごくいいそうです。そのお家の人も、樹が自閉症だということを話したら、すごく理解して下さって、「またいつでも遊びにおいで~」と言って下さった。

しかし、犬と遊ばせてもらうのは嬉しいけど、毎日行かないと気が済まないのでは?と、またいや~な予感がしていたら、案の定、次の日からもその家に寄るのを楽しみにしているようだ・・・でも、家の前に誰もいなければ「留守だね~」でごまかせた。ところが、次に遊ばせてもらった時、裏庭の畑に入れてくれて、ハウスに連れて行ってミニトマトをもいで食べさせてくれた。

そこでまたまたいや~な予感・・・次の日は、勝手に庭に入って行ってしまった。樹は一度入っていいと許されると、いつ何時でも勝手に入っていいと思ってしまうのだ・・・でも、そこで嬉しいことがあった!勝手にハウスに行くのか?それともママを引っ張って行ってトマトをくれというのか?と思っていたら、そのお家のベランダの網戸から、「おーい、おーい」とお家の人を呼んで、ハウスの方に向かってクレーンで(人の手を使って、欲しいものを教えること)「うく、うく」(樹の何かして欲しい時の合言葉みたいなもの)と言って、“トマトを下さい”と要求した!そこで、誰に教えられるでもなく、自分からちゃんとコミュニケーションが取れていることを、とても嬉しく思った!

でも、それからというもの、毎日その行動は続いた。家の前に誰もいなくても、勝手に庭に入ってしまうのだから、「留守だね~」と言って素通りすることもできなくなってしまった。しかも、食い意地が張っている樹は、食べることに対して執着心が強いので、トマト食べたさに、そのお家は絶対に行きたい所となり、すっかりこだわりとなってしまった・・・

いくら「いつでも遊びにおいで」と言ってくれたとはいえ、まさかここまで毎日来るとは思ってなかったと思う・・・何とかこだわりをそらそうと、『こうえん』カードで、誘って連れて行った。でも、どうしてもトマトの方が良かったみたいで、イヤイヤ行ったし、家に帰ってきた時も、やっぱりトマトのお家に行きたかったようで、家に入りたがらなかった・・・どうすればいいのか?トマトの時期が終わるまでの辛抱か?などといろいろ考えていたら、次に遊びに行った時に、今度はトマトからブドウに興味が移ってしまった。もちろん、勝手に食べ始めたわけではなく、初めはお家の人からもらって食べたのだが、次から次へとキリが無い・・・このままでは、あまりにもこのお家の人に迷惑をかけてしまう・・・

しかも、夕方遅く帰ってきた時に、“いけません・×カード”を見せたら、やっぱりトマトの強力な魅力を思い出すのか?すんなり家に入ってくれず抵抗するので、結局玄関のチェーンロックをかけて、出て行けなくするしかなかった・・・

その時、そらパパさんからコメントでアドバイスを頂いて、PECS(絵カードコミュニケーションシステム)では、『絵カードを使う』ことが、最終的に『強化子が与えられて強化される』という形で終わることで『1セット』になる。ということを教えてもらいました。つまり、“いけません・×カード”を見せるだけでは、子どもに強化子を与えることができないので、『最後が強化子』になるように、近所に行くことの代わりになる、ビデオを見るなどの『代替メニュー』を提示するなどの工夫が必要とのことでした。

今まで、上手く行くはずがないやり方をしていたんだなぁと思うと同時に、樹にとって、近所に遊びに行くこと(トマト)以上の強い『強化子』なんて、思いつかない・・・という壁にぶつかりました。

でも、いろいろ考えていくしかない!まだ、買っただけで見せていない、『手遊び歌のDVD』を試すとか、散歩のコースも、また『こうえん』の方にイヤイヤでも変えてみるとか・・・

結局、“脱走癖の克服”は、失敗に終わったのか?でも、一度は近所から自転車に移行することができたり、夕方遅く帰ってきた時も、一度は自分から家に入ってくれたし、一応成功したんだと思う。

しかし、子どもは絶えず成長しているから、ひとつ解決しても、また次の問題が浮上してきてしまう。その都度問題を克服していく方法を考えて、対応していかなければならないということは、大変なことかもしれないが、それは確実に“成長している”ということの証であり、喜ばしいことなのだ!

この前、旭川で“情緒障害教育研究大会”があり、参加してきました。そこで勉強した中で、心に残っている言葉があります。

『つまずきは問題ではなく発達課題である』

絶えず訪れるつまずきにめげることなく、新たな発達課題を考えて行きたいと思います。

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