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PECSトレーニング~内言語の芽生え~

我が家でも、ずいぶん前(2歳半すぎ)から『写真カード』を作って、ヒトやモノには名前があるということを知ってもらうため、あるいは、何かを手に入れるための要求カードとして、それと、これから何をするのか?どこへ行くのか?を伝える、スケジュールの提示のために使おうとはしていました。しかし、樹はカードをたくさん手にすると、家具の隙間に次々と入れて遊ぶという習性があり、せっかく苦労して作ったカードは、全部無くなってしまうという事態になってしまったり、そのカードを見せても、まだ理解力が乏しいため、樹にはこちらの意図が今イチ伝わらず(今思えば、私自身も勉強不足で、間違った使い方をしていたところもあります・・・)結局作ってはみたものの、あまり役には立ってなかったように思います。

それから、何かが欲しい時は、人の手を使って欲しいものを教える(クレーン現象と呼ばれ、自閉症児に多く見られる特徴のひとつです)ようになり、例えばお茶が欲しい時は、冷蔵庫にママの手を持っていって教えるようになりました。その時に「おちゃが欲しいんだね」と言葉に出して言うようにしていれば、いつの日か、「おちゃ」と言えるようになると思ってました。それに、クレーンで要求できるのだから、別にそれでいいのかな?と思ってました。

ところが、そらパパさんのブログで、『PECS』(絵カードコミュニケーションシステム)のことや、『内言語の獲得』について書かれているのを見て、このままではいけないということに気付きました。

言葉には『内言語』(音声を伴わない自分自身のための言語で“思考”の道具としての機能)と『外言語』(他人に向かって用いられる音声言語で“伝達”の道具としての機能)とがあり、『内言語』というのは、私達が頭の中で物事を考える時に、独り言を言うように言葉で考えている。つまり言葉による思考のことなのだそうです。

ということは、この『内言語』がなければ、本当に意味のある言葉は育っていかないと同時に、当然、論理的思考も、将来への見通しも立てられないということになります。つまり、意味も解らず目の前の刺激にただ反応するだけの行動パターンを強いられる。ということになります。

つまり、例えば「おちゃ」と言って、お茶をもらうという行動が、トレーニングの場面で学習されたとしても、それは単なる合言葉的なもので、それで本当に「おちゃが欲しいからおちゃと言おう」と「考える」ことが学習されたとは言い切れない。ということです。

これが、PECSのトレーニングを毎日続けていた場合だと、「おちゃが欲しい」という気持ちが、頭の中で「おちゃカードのイメージ」になり、その後、おちゃカードを取りに行くという「流れ」ができたとすれば、これはもう内言語の芽生えということができます。

そして、意味のある言葉を獲得していくためには、まず、普段よく使う「名詞」から、ということで、今までクレーンで要求していた、「おちゃ」「てれび」から、改めて取り組み直すことにしてみました。また改めて写真カードを一から作り直し、「おちゃ」と「てれび」のカードを冷蔵庫の横に貼り、クレーンで要求してくるたびに、そのカードを渡すことをトレーニングしました。初めは、一度「てれび」カードを渡したら、テレビをつけてもらえたので、お茶が欲しい時も、「てれび」カードを渡してきました。つまり、「てれび」カードを渡せば、何でも要求がかなうと勘違いしたようです。その時、「何が欲しいの?お茶が欲しいんでしょ?お茶はどれ?」と聞くと、「おちゃ」カードを取ることが出来ました。ここで凄いことに気付きました。樹は、「お茶」という言葉を聞いただけで、お茶がイメージできるようになっている。つまり、言葉の理解は全く出来ないという段階から、お茶、バナナ、テレビ、おやつ、トイレなどの、普段よく使うごく簡単な単語の意味は、理解できる段階まで発達している。ということに気付きました。(単語が解るようになったからといって、普通に話しかけてももちろん通じてませんが・・・)

そして、何回かトレーニングを続けていくうちに、お茶が欲しい時に、ちゃんと自分から「おちゃ」カードを渡して要求してくるようになりました!これでも、内言語の芽生えに成功したと言えますが、その後、食卓に座って食事をしている最中に、クレーンで何かを要求してきたので、「何?何が欲しいのかな?」と聞くと、「おちゅわ、おちゅわ」と言ったのです!「おちゃ」と言いたかったということがすぐに解りました!この時、写真カードは冷蔵庫の横に貼ってあるので、取りに行けない状況でした。それだから、言葉で言ったのかもしれませんが、とにかく「おちゅわ」(おちゃ)という言葉が、樹にとっての初めての『内言語』及び『有意味語』と言えるのではないでしょうか?

改めて、一からやり直してみて本当に良かった!これからも少しずつ、PECSなど、樹に合っている療育方法をよく見極めて、色々と試行錯誤しながら実践していきたいと思います。そして、言葉だけにこだわらない、色々なコミュニケーションの方法を、身に付けさせてあげたい。コミュニケーションの“必要性”、そして何より“楽しさ”をたくさん教えていってあげたいと思います!

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コメント

ちゃぴにいさん、
長々と読んでくれてありがとうっ♪
とにかく、一からやり直してみたおかげで、いっくんは、自分の頭の中で考えた意味のある言葉を、初めてしゃべりましたよぉ~
嬉しかった~♪
今では、違う部屋にいても、『おちゃ』カードをわざわざママの所まで持ってきたり、「おちゅわ、おちゅわ」と、言葉で要求してきたりと、かなり、定着してきました!
「てれび」も、少し自信なさげにですが、言おうとしています。
やっぱり、地道に一歩ずつ!だねっ♪

投稿: いっくんママ | 2006年10月 9日 (月) 04時15分

「おちゅわ」・*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。♡*゚¨
凄いっじゃない?!
ほんとに、ほんとに嬉しいですねぇー♪
いっくんママ。応援してますっ!

投稿: ちゃぴにい | 2006年10月 9日 (月) 03時11分

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